土地家屋調査士の仕事に、「境界確定測量」というのがあります。
言葉の意味とおり、土地の境界を確定する仕事です。
数十万円はかかる(それ以上のことも)仕事なので、たいていの人は、土地を売るときや、家を建てるときなど、何かするときに依頼されるものです。
でもたまに、
”後々の子孫のためにしっかりとした図面を作っておきたい”
という人もいます。
たしかに、子や孫の世代になると、昔のことはわかりません。
境界確認のため立会をするときに、お隣のじいちゃんから
”昔はこうだったんだよ”
と言われて、違うんじゃないかと思ってもなかなか反論しにくいものです。
事情がわかる人がいるうちに、境界をはっきりさせておくことは、とても大事なことなのです。
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谷口 暁美 (日曜日, 22 3月 2015 15:43)
こんにちは、地権者にやさしい補助者さんですね。境界はこじれると終局では、『境界確定訴訟』というたいへんな騒動になってしまいます。土地家屋調査士はそんな事にならないようにと切に願って仕事をしていますが、万一、裁判沙汰になった時には、先生の資料は重要な証拠となります。一方、地権者が頑として唱える根拠の薄い伝聞は殆ど使えません。じっくり聞いて地権者の心を成仏させてあげたいとは思います。
NPOの理事長としては、「境界の証明は、根拠が大切です。原始筆界形成から今日までを考察する事が重要なのであって、無根拠な伝聞では証明力が無いので裁判ではあまり役にたちません。せっかく費用をかけて境界確認をするのなら裁判でも役立つものを備えておくべきですよ。」と説明しています。筆界の探求は土地家屋調査士の専門分野で弁護士や裁判官などの及ぶところではありません。土地家屋調査士は誇り高くも、評価(報酬)は低い仕事です。(泣笑)
ところで、土地家屋調査士は、筆界を探求し、守るのが仕事ですが、個人と個人の交わす契約にまで入る必要はありません。土地家屋調査士が考察した筆界を指示して「本来の筆界は、ここだと考えられます。筆界は私人間では変更できませんので、大切に守り、次の所有者に継承してください。合意の境界は契約の境界ですから、当事者以外には主張できません。」と言って、「おお、そうか、よかった、よかた。」と筆界確認書に押印して円満におさまる ・ ・ ・ ・、世の中を作るために、NPOの活動を頑張っているのでした。
阿部照子 (水曜日, 25 3月 2015 16:52)
”昔からここが境界だと聞いている”
そういう方も多いですね。
それが違うというのはなかなか認めがたいものだと思います。
近江商人の”三方よし”のように、依頼者、隣接者、世間がみんな納得できる形になるお手伝いができれば、一番いいですよね。